ファンからの寄稿文
「40周年に思う、佐野元春のこと」

ずっと響いている

田和佳子

また佐野さんのライブに行くの?同じのばかりみて
飽きない? よくまわりから言われてきた。
えーっ!そんなわけないじゃん、いつも同じじゃないし
いつも新鮮で楽しいよ。
本当は、この言葉だけで言いたいことは終わるのですが…

40年なんですよね。その間、佐野さんの音楽には
月並みですが自分に寄り添い続けて頂きました。
私の十代には佐野さんの音楽は存在しなかったし
けっこうな音楽をジャンルを問わず聴いてきました。
今でももちろん好きな音楽は他にもあります。
でも案外、自分の中で輝くなって響かなくなっていった
音楽も実はあります。

そんな中で「好き」だけではなく、ずっと変わりなく響いているのは
佐野元春の音楽なんですよね。
それは、となりにいてくれるのが当たり前みたいだけど
本当は当たり前ではない友人のような存在で。
嬉しいなあとつくづく思います。佐野さんの音楽は嬉しい。

別に大きな不幸を背負った人生でもなく、日々何とか
日常を暮らせているのですが、それでも辛い時や泣きたい時はあります。
何も言わなくてもそこにいてくれるだけで、またリセットさせてくれる
大切な友人で、逆に楽しい時はとても笑顔を共にできる音楽です。

決して都会に生まれ育ったわけではないので
街で暮らすこととか本当はよくわかっていないのでしょうが
まあそういうのは、どうでもいいや、と。勝手に楽しんで。
シリアスなメッセージが含まれた楽曲も、決してそれだけでは
終わらない、必ず音楽としての聴きごたえや魅力があるから
気持ちは落ちていかない。そしていつもそこにいてくれる。

どうして佐野さんの音楽にはそう感じるのかな、と
思いますが、私がいいなとおもうところに
「色が特定していない」部分があります。
それは個人的にいつも感じるのですが、佐野元春色の
ラインとかないんですよね。
だからいつも新鮮だし、クオリティが高いなと。

40年間、感謝致します。そしてこれからもよろしくお願い致します。
佐野さんの音楽は、「今」がいつもいちばんです。
これからも勝手に私の友人でいてください。

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