ファンからの寄稿文
「40周年に思う、佐野元春のこと」

自分なりの境界線を越えながら

中村 徹

 元春を意識したのは1985年の秋。体育祭の準備中に先輩のラジカセから流れてきた「スターダストキッズ」がきっかけで、ヴィジターズから遡るように全てのレコードを揃えていった。サムデイも大好きだけど、小田和正が「これは俺のことじゃないか。なぜこいつ(元春)は俺のことを知っているんだ?」って語ったほど熱狂はしなかった。愛の謎も分からない、自分はまだまだ子供なんだろうと感じていた。

 でも。生き方に悩んでいた2015年の夏、『BLOOD MOON』アルバムから飛び込んできた「境界線」には打ち抜かれた。

「どんなオチがついても選んだ道に花を飾って」
「これ以上待っていても無駄だろう?」
「風に導かれるままどこまでも自由に」

 そうか、そうやって生きれば良いのかと感じた。感じたままのど真ん中をくぐり抜けていくしかないんだって理解した。何よりも初めて「元春が僕のことを歌ってくれた。僕の背中を押してくれた」と思えたことが嬉しくて。

 以来、自分なりの境界線を越えながら毎日を生きている。40周年は思わぬ一年になってしまったけれど、こんな時だからこそ元春にもらったいくつものメッセージが背中を押してくれるのを感じる。いつか自分も元春の力になれるような、そんな存在になりたいって想いが自分を強くしてくれることに日々感謝。素敵なことは素敵だと無邪気に笑える心でいられるのも元春のお陰。40周年おめでとう。そしてありがとう!

追伸
僕の座右の銘で(娘の高校の学校祭で書道部員の方に書いてもらったのです)、職場のデスクに掲げてあります。

待っていても無駄

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