ファンからの寄稿文
「40周年に思う、佐野元春のこと」

モラトリアム:ここにいるわけにはいかない

MM

 1987年、僕は高卒で就職した会社を辞め、専門学校に行き直し夢に向かっていました。

 83年に就職した工場には特に不満もなく、毎朝電車で通い、ルーチンワークをこなし給料をもらう日々。免許もとって中古車を購入し、暇があれば箱根や湘南をドライブ。そんな時「佐野元春」とのちょっと遅めの出会いがありました。

 姉が友人から借りてきたカセットテープに入っていたアルバム「Someday」。当初は何気なく「Somedayってこの人が歌ってるんだ」と言うくらいの印象。しかしその中でやけに印象に残る曲が耳に残ります。

「この気持ちはいつまでも、忘れない忘れられないさ・・」

 モラトリアムなんて言葉が流行し、バブルに向かう時代の空気に浸かった僕。 「何かはじめなければ」と言う思い。

「行くあてはどこかにある訳じゃないけれど、ここにいる訳にもいかない」

 「I'm in Blue」の歌詞はそんな僕の躊躇する背中を押してくれました。デザイン関係の仕事に就く事を決め、専門学校に入ったのはそれからすぐ。ラジオからは「Complication Shake Down」や「Tonight」が流れている頃です。

 今までとは違う「Visitors」発売。雑誌「This」の復刊。「Young Bloods」のトップ10入り。「Electric Garden」発売等次々と新しい事に挑戦する佐野さんと、とまどいながらも新しい世界に飛び来んだ僕の心情とシンクロし、広がる夢と一緒に転がり続けました。

 あれから数十年、僕の心はあの頃のままではないですが、何かに駆り立てられてすごした時代の空気は、僕の心に深く染み付いています。

Beat Goes On!

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