ファンからの寄稿文
「40周年に思う、佐野元春のこと」

エピソード五指・佐野元春と私

佐々木智明

 <五指> ニューヨークへ飛び立つ直前のFMラジオから流れ出て、私のラジオに流れ来た佐野元春ベストテン。この日、私は佐野元春のファンになった。

 <四指> 中三の1984年から高三の1987年まで、受験勉強の合間にカセットをかけながら、ミニコンポに向かってがなり続けた。〜でも今夜は君の濡れたコートを脱がしてやりたい それが人生の意味〜 がなっているとゾーンに入った『NEW AGE』

 <三指> 雑誌THISに載ったアレン・ギンズバーグのインタビュー記事に出会う。十代後半で出会い、三十代くらいからジワジワしみてきたギンズバーグの言葉を元春が引き出してくれていた。「自分で自分を把握し、インターナショナル・マナーを持つことが大切だ」

 <二指> 浪人生の仙台在住期、今度は民放のFMラジオから流れ出て、私のラジオに流れ来た石渡長門の『R u m b l n’ A round』。~闇を抜け走って行く 悲しみをのせたピックアップトラック 時が流れていつかは 思い出して 笑えるさ~ 。プロデュースしてリスナーに届けたのはモトハルだった。一年後、大学の軽音楽部に入部して、この曲をがなった。ベースソロがイインだよなって言ってベースを弾いてくれた先輩は、まもなくバイク事故で亡くなった……

 <一指> コロナ禍直前の2019年11月、青森市の海辺のライブハウスで“ソウルボーイへの伝言”ライブを体感。<紅い月>のミディアムなグルーヴ感に酔わされた。酔いしれた恍惚感に包まれながら、ハンドルを握って、休憩を挟んで3時間後、無事に家にたどり着いた。

 <佐野元春さんへ>
くう ねる あそぶの広告コピーがもてはやされ始めた80年代
あなたが登場した80年代以降の曲群は
わたしにとって ほとんどが 気の抜けた飲料水の味がします
そんな味気ない曲群の中
あなたの曲群は 私には 気が入った飲料水の味がします
何度飲んでも飽きることのない飲みごたえ
それが あなたの曲群です
モトハル
ここにいてくれて ありがとう
それでは また

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