ファンからの寄稿文
「40周年に思う、佐野元春のこと」

40周年を振り返ってみて思うこと

呉エイジ

 『サムデイ』がやっと世間で認められたのに、普通ニューヨークなんて行かない。

 国内で『ノーダメージ』がせっかく一位を取ったのに、普通全然違う音楽性の『ビジターズ』なんて出さない。

 『ヤングブラッズ』がクラスで話題になってる最中、普通ビートに朗読を乗せる難解な『エレクトリックガーデン』なんて出さない。

 『カフェボヘミア』が大ヒットしたのに、普通ロンドンに行って全く違う洋楽のような『ナポレオンフィッシュと泳ぐ日』なんて次に出さない。

 『フルーツ』で新たなファンを獲得したのに、間髪入れず次のアルバムが激渋な『ザ・バーン』なんて出さない。

 売れた作品を拡大再生産すればいいのに、というこちらの想いなんて元春はどこ吹く風。安住しない。安住に意味を見出さない。常にアップデートして革新する。革命する。それが人生の意味、とでも言うように。

 だから信頼できる。本物だと思える所以なのだ。

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