今夏 彼は掲げた旗を一旦振り下ろすだろう 朽ちた王様は向う見ずに賽を投げた でも彼は匙を投げること無く 信号が赤のうち 次の孤島へ向かう準備に抜かりない 『土地を耕し 水を引くからちょっとだけ待って欲しい』と 彼は丘の上から目を細める そして 彼は晩秋の頃 次の一歩の地図を 砂浜に描くだろう 僕たちは波に飲み込まれる前に鳥の様に海を渡って その地図を確認すれば良いだけ でも 次の指針は自分自身で描いてと 彼は微笑むだろう